「毎月の保険料、正直きつい。でも、やめるのはなんだか怖い…」
そんなふうに感じている方、多いのではないでしょうか。
私は医療事務として20年、病院の窓口でたくさんの患者さんと保険のリアルを見てきました。そして我が家自身も、保険をゼロから見直して年間30万円以上の保険料を削減した経験があります。
今日はその経験から、「我が家には入らなくていい」と判断した保険を3つ、理由もふくめて正直にお話しします。
最初にお断りを。これはあくまで我が家の考え方です。ご家庭の状況によって答えは変わりますし、「この保険は無駄」と誰かを否定するものでもありません。「考え方のものさし」として読んでいただけたらうれしいです。
前提|保険は「めったに起きないけど、起きたら破産級」に備える道具
3つの話に入る前に、いちばん大事な考え方をひとつだけ。
保険の本来の役割は、「めったに起きないけれど、起きたら家計が立ち行かなくなること」に備えることです。たとえば、小さな子どもを残して大黒柱に万が一があった場合。これは貯金ではカバーしきれないので、保険の出番です。
逆に言うと、「貯金で対応できること」や「公的保障でカバーされること」に保険をかけると、保険料がもったいない。これから挙げる3つは、まさにそこに当てはまるものです。
①貯蓄型保険(学資保険もここに含みます)
「保障もついて、貯金にもなる。一石二鳥」——私も昔はそう思っていました。でも実際は、保障としては薄く、貯蓄としては増えない、どっちつかずになりがちです。
しかも途中で解約すると、多くの場合払った額より戻ってくる額が少ない(元本割れ)。家計が苦しいときに身動きが取れなくなる、という落とし穴もあります。
我が家は思い切って貯蓄型を全部やめました。保障は掛け捨てで安く確保し、浮いたお金は貯金とNISAへ。「保障は保険、貯蓄は貯蓄」と分けたことで、家計も頭の中もスッキリしました。この見直しが、年間30万円削減のいちばん大きな柱です。
▶ くわしくは:保険の基本|「貯蓄型」と「掛け捨て型」どっちが正解?
【実話】我が家も「ドル建て保険」を9年で解約しました
じつは我が家も、貯蓄型のひとつ「ドル建て保険」に入っていました。結婚したての頃、知識がないまま、主人の友人(保険屋さん)に勧められて加入。「お金も増えて保障もつくなんて、めっちゃ良いやん!」と思って、気づけば約9年です。
でも、学べば学ぶほど中身が見えてきました。とにかく手数料が高い。そして利回りも、払った保険料の全額が運用に回るわけではないので、実際はかなり低いんです。
「損切りしてでもやめたい」とずっと思っていて、円安が進んだタイミングで、払い込んだ保険料と解約返戻金を確認してみました。すると円安のおかげで、手数料を引いても解約返戻金のほうが少し上回る結果に。迷わず解約しました。
この経験で確信したのが、この記事で何度もお伝えしている原則です。
- 貯めるのと増やすのは、別々にする
- 保険は保険、投資は投資
- 混ぜると危険
②がん保険
意外に思われるかもしれません。でも、医療費の現場を19年見てきたからこそ、お伝えしたいことがあります。
それは、がんの治療も、多くは公的な健康保険の対象だということ。そして医療費の自己負担には高額療養費制度という「月の上限」があります。「がん=治療費が青天井」というイメージと、窓口で見てきた現実には、けっこう差があるんです。
▶ この「上限」の話は前回の記事で:高額療養費制度を知っていますか?医療事務19年の私が窓口で見てきた話
我が家は、がんへの備えは専用の保険ではなく「生活防衛資金(貯金)」で持つと決めました。貯金なら、がん以外のどんなピンチにも使えますから。
ただし正直に付け加えると、公的保険がきかない自由診療まで視野に入れたい方や、治療中の収入減が大きい自営業の方などは、事情が変わります。ここは「全員いらない」ではなく、「公的保障を知ったうえで、それでも必要か考える」が正解です。
③個人年金保険
「老後のために個人年金保険」——気持ちはとても分かります。でも我が家が選ばなかった理由は3つ。
- 増え方が小さい…何十年も預けて、増えるのはわずか。その間の物価上昇(インフレ)に負けてしまう可能性も
- お金が長期間ロックされる…途中でやめると元本割れしがち。家計の変化に対応しにくい
- 今はNISAという選択肢がある…非課税で、いつでも引き出せて、長期なら増える期待も持てる
我が家の老後資金は、新NISAでコツコツ積立が答えでした。もちろん投資には値動きがありますが、「増えない安心」より「仕組みを理解した上での運用」を選んだ形です。
▶ 我が家のやり方:新NISAの始め方を初心者向けに解説|主婦の実体験
じゃあ、何に入ればいいの?
我が家が「これは必要」と残したのは、子育て世帯の大黒柱に対する掛け捨ての死亡保障です。これこそ「めったに起きないけど、起きたら破産級」だからです。
必要な保険は家族構成で変わります。独身・夫婦2人・子育て中、それぞれの目安はこちらにまとめています。
▶ 家族構成別!本当に必要な保険は?医療事務19年の主婦が「公的保障」から解説
やめるときの注意点
- 解約は「新しい保障を確保してから」…先にやめると保障の空白期間ができます
- 貯蓄型の解約は返戻金を確認…タイミングによって戻る額が大きく変わります
- 迷ったら、まず公的保障を知る…判断の土台がないまま営業トークを聞くと、また不安で入ってしまいます
まとめ|保険は「不安」で入らない。「計算」で入る
3つに共通するのは、「不安だから」で入りやすい保険だということです。
でも、公的保障を知り、貯金とNISAという土台があれば、不安の多くは「計算できる備え」に変えられます。我が家はそれで年間30万円以上が浮き、そのお金が今、家族の時間と将来の資産に変わっています。
今日の一歩はこれだけ。保険証券を引き出しから出して、毎月いくら払っているか眺めてみる。そこから始めてみてくださいね。
