「積立投資、始めたはいいけど…いつまで続ければいいんだろう?」
「老後のためって言うけど、いくら貯まったらゴールなの?」
——そんなふうに思ったこと、ありませんか?
実は私、つい先日まで考えたことすらありませんでした。毎月決まった額が自動で積み立てられていくのを、ただ眺めているだけ。「子どものお金がかかる時期になったら、積立額を減らせばいいかな」くらいの、ぼんやりした感覚だったんです。
でも先日、投資の世界にある「卒業ライン」という考え方を知って、我が家の数字で計算してみました。
結果は、思ってもみないものでした。同じように「なんとなく積み立て続けている」方に、計算のやり方から順番にお話しします。
積立投資には「卒業ライン」がある
卒業ラインの計算式は、これだけです。
(1年分の老後の生活費 − 年金)× 25 = 卒業ライン
「なんで25倍?」と思いますよね。
これは「4%ルール」という考え方がもとになっています。アメリカの大学の研究(トリニティスタディ)で、「資産を年4%ずつ取り崩すなら、高い確率で長持ちする」という結果が出ているんです。年4%で取り崩すなら、必要額はその25倍。それだけの話なんです。
つまり、年金で足りない分の25倍が貯まる見込みが立ったら、もう無理に積み立てなくていい、ということ。
「そんな大金、絶対ムリ…」と思った方こそ、このまま読み進めてほしいです。我が家も計算する前はそう思っていました。
ステップ①:老後の生活費を出す
まず、老後に毎月いくらかかるかを出します。
といっても、未来を想像で当てる必要はありません。今の家計簿から、老後には「なくなる支出」を引くだけです。
我が家の場合はこうでした。
| 月額 | |
|---|---|
| 今の生活費(家計簿の12か月平均) | 約40万円 |
| − 教育費(子どもが独立したら不要) | −約4.5万円 |
| − 住宅ローン(65歳までに完済予定) | −約6.5万円 |
| 老後の生活費 | 約29万円 |
旅行や家電の買い替えも楽しみたい「ゆとり版」なら、約35万円。
家計簿をつけている方なら、ここは10分でできます。つけていない方は、ざっくり「今の手取り−貯金額」でも大丈夫です。
ちなみに我が家の家計簿は、アプリにおまかせです👇
→ マネーフォワードME、無料と有料どっち?最初から有料にした主婦の本音
ステップ②:ねんきん定期便を開いたら「月9万円」!?
次に年金額です。毎年誕生月に届く、あのハガキ(ねんきん定期便)の出番です。
我が家も夫婦それぞれの定期便を開いてみました。そこに書かれていた年金額は——
夫婦合わせて、月9万円ちょっと。
「え、少なすぎない…?」と、正直焦りました。月29万円の生活費に対して9万円って、どう考えても足りません。
でも、調べてみて分かったんです。ここに大きな落とし穴がありました。
50歳未満の定期便は「今までの分」しか書かれていない
50歳未満の人のねんきん定期便に載っているのは、「これまでに払った保険料だけで計算した年金額」なんです。
私は42歳。これから60歳まで働いて保険料を払い続ける18年分は、まったく含まれていない金額でした。
恥ずかしながら、毎年届くハガキの見方を、この歳まで理解していませんでした…。同じ勘違いをして「年金なんてアテにならない」と思っている方、実はすごく多いんじゃないでしょうか。
そこで、定期便にQRコードが付いている「公的年金シミュレーター」(厚生労働省の公式サイト)で試算し直してみました。スマホで数分。年収と退職年齢をスライダーで動かすだけです。
出てきた我が家の見込み額は——夫婦で月22万円(年264万円)。
「60歳で退職する」という控えめな設定でも、この金額でした。定期便の月9万円を見て焦っていたのは、何だったんだろう…という気持ちです。
ステップ③:我が家の卒業ラインは「2,100万〜3,900万円」
材料がそろったので、計算します。年金はシミュレーターで出た月22万円です。
- ふつうの老後:(29万円 − 22万円)× 12か月 × 25 = 2,100万円
- ゆとりの老後:(35万円 − 22万円)× 12か月 × 25 = 3,900万円
正直、拍子抜けしました。「老後1億円」みたいな話を聞いて身構えていたのに、年金を計算に入れると、必要額はぐっと現実的になるんです。
今の投資額を「ほったらかす」だけで届く計算に
ここからが、この記事でいちばんお伝えしたかったことです。
我が家の投資額は、夫婦合わせて評価額で約2,500万円。これに1円も追加せず、65歳まで約24年間ほったらかしただけの場合を計算してみると——
| 運用の想定 | 65歳時点の見込み |
|---|---|
| 年3%(かなり控えめ) | 約5,100万円 |
| 年5%(標準的な想定) | 約8,000万円 |
卒業ラインの3,900万円を、控えめな想定でも超えていました。
つまり我が家は、計算した時点ですでに卒業ラインを通過していたんです。
ここで大事なのは、「積立をやめること」と「取り崩し始めること」は別だということ。積立をやめても、貯まったお金は65歳までそのまま運用を続けます。雪だるまは、もう十分な大きさの芯ができていれば、あとは坂を転がっていくだけなんですね。
我が家の「ほったらかし」の仕組みは、こちらで詳しく書いています👇
→ 「ほったらかし投資」の仕組みの作り方|手取り17万円の主婦が続けられた理由
分かった瞬間、力が抜けました
この結果を見たとき、うれしさと同時に、ほっとして力が抜けました。
今までは余剰資金を全部投資に回して、ただ闇雲に積み立ててきました。それが「もう無理に貯めなくていい」に変わった瞬間、「今このときにしかできないことに、お金を使っていい」と初めて思えたんです。
子どもとの時間を犠牲にしてフルタイムで働き続けてきたけれど、働き方を選び直すという選択肢まで見えてきました。
……実はこの結果、夫にはまだ話せていません。どんな顔をするか、ちょっと楽しみです。
計算してみて気づいた、3つの注意点
浮かれた話ばかりでは終われないので、正直に注意点も書いておきます。
① 教育費は別で考える
我が家は子どもが小2と年長。お金のかかり時は、むしろこれからです。投資額の中に「大学資金のつもりのお金」があるなら、その分は卒業ラインの計算から外す必要があります。
② 積立をやめる=投資をやめる、ではない
売って現金にするわけではありません。運用は続けたまま、新しく入れるのをやめるだけ。ここを混同すると「せっかく育てた雪だるま」を途中で壊すことになります。
③ 数字はぜんぶ「見込み」
将来の利回りも年金も、確定した数字ではありません。我が家も「卒業ラインを超えていそう」と分かった今も、いきなり積立をゼロにはせず、まず金額を見直すところから考えています。
まとめ:まずは「ねんきん定期便」を探すことから
卒業ラインの計算に必要なものは、たった2つでした。
- 家計簿(今の生活費が分かるもの)
- ねんきん定期便
難しい知識も、特別なツールもいりません。
もし今日なにか1つやるとしたら、引き出しに眠っているねんきん定期便を探してみてください。50歳未満の方は「この金額は途中経過なんだ」と分かって見るだけでも、老後のお金の景色が変わるはずです。
ゴールの見えないマラソンは不安だけど、ゴールテープの位置が分かれば、あとはペース配分を考えるだけ。
変わるのは、お金の数字だけじゃなくて、「今」の使い方かもしれません。
これから積立を始める方は、まずこちらからどうぞ👇
→ 投資が怖かった私が新NISAを始めるまで|主婦の実体験と4ステップ
※この記事は我が家の体験談です。特定の商品の購入や売却をおすすめするものではありません。投資の判断は、ご自身の状況に合わせて行ってくださいね。
