この記事を書いた人
とみい

・医療事務歴20年の40代主婦。

・子育て・仕事・家事のバランスに奮闘中。

・「子どもにおかえりを言えるママになりたい」が目標。

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・家計の見直しや資産形成を、リアルな実体験で発信中。

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入院が月をまたぐと損って本当?高額療養費の上限が2回かかる仕組み|窓口で20年働く私が、それでも日程をずらすのをすすめない理由

家計管理

入院や手術の日程を伝えられて、ふと「月末に入院すると損って聞いたけど…」と不安になった。
退院の日に請求書が2枚あって、「上限があるはずなのに、なんでこんなに高いの?」と驚いた。

そんな経験、ありませんか?
私は病院の受付で20年働いています。そして実は、母が入院したとき、私も同じことを思いました。

先に結論だけ。
月をまたぐと上限額が2回かかるのは、本当です。でも窓口の人間としては、日程を月初めにずらしてもらうことはおすすめしません。知っておいてほしいのは「損をしない方法」より、「請求書が2枚来ても慌てない準備」のほうなんです。

本当です|上限額は「1日〜末日」ごとに1回かかる

高額療養費は、ひと月に払う医療費に上限をつくる制度です。この「ひと月」は、入院した日から30日ではありません。カレンダーの1日から末日までです。名古屋市の公式ページにも「暦月(月の1日から末日まで)ごとに計算します」と書かれています。

だから同じ入院でも、ひと月に収まるか、2つの月にまたがるかで支払いが変わるんです。区分エ(月の上限61,500円)の人で計算してみます。

入院のしかた窓口負担(3割)実際の支払い
ひと月に収まる18万円61,500円
2か月にまたがる9万円+9万円123,000円(61,500円×2)
どちらも医療費の総額は60万円

医療費の総額は同じなのに、支払いは2倍です。

短い入院でも差は出ます。窓口負担が9万円の入院なら、ひと月に収まれば61,500円で済みます。4.5万円ずつ2か月に分かれると、どちらの月も上限に届きません。合わせて9万円を払うことになります。

自分の区分と上限額は、限度額適用認定証の「区分」って何?で確かめられます。制度そのものは高額療養費制度を知っていますか?をどうぞ。

窓口では、請求書が月ごとに1枚出ます

入院費の請求書は、月ごとに分けて作っています。私の勤務先では、月末で締めて、ひと月に1枚です。

発行するのは、翌月の10日以降。健康保険への請求(レセプト)を済ませてから作るからです。
退院が月の初めなら、前の月の分と今月の分の2枚を、退院の日にまとめてお渡しします。たとえば9月25日に入院して10月3日に退院なら、10月3日に9月分と10月分の2枚、という形です。

患者さんが驚くのは、たいていこの2枚を見たときです。「月ごとの上限」という考え方を知らないので、入院日数は短いのに、ひと月の入院より高い。2倍近い金額になることもあります。

私の母の入院も、月をまたぎました

母が手術で入院したときのことです。入院は、月末から月初めにかけての10日ほどでした。
退院の日の支払いは、2か月分。

「ひと月に収まっていれば、1回分で済んだのに」
娘としては、正直そう思いました。毎日窓口でこの計算をしている私でも、です。

でも、日程は病院から言われたもの。仕方ない、と思いました。今振り返っても、その気持ちは変わりません。

それでも、日程をずらしてもらうのはおすすめしません

「月初めに入院させてください」と相談される方は、窓口ではほとんどいません。そう考えるのは、医療事務の知識がある人くらいです。
手術日などは、基本的に病院の日程に合わせてもらっています。どうしてもという事情があるときだけ、相談は可能です。

そして、これは正直な話。
「月をまたぐと損ですよね」と知識を言ってくる方は、窓口では「めんどくさいな」と思われてしまいます。

月をまたぐと損なのは確かです。でも、医療に損得を求めるのもどうかな、と私は思っています。知識は「日程を変えてもらうため」ではなく、「慌てないため」に持っておくのがちょうどいいんです。

知っておくと助かる3つのこと

① 月をまたぐと分かったら、2回分のお金を用意しておく

月末から月初めにかけての入院と決まったら、上限額の2回分を目安に用意しておくと、退院の日に慌てません。区分エなら約12万円です。
食事代や差額ベッド代は、上限とは別にかかります(限度額適用認定証を出したのに請求が高い理由)。すぐに払えないときは、入院費が払えないときにできることに窓口での相談のしかたを書いています。

② 入院や治療が続くなら「多数回該当」

直近12か月のうち3か月、上限額まで払った月があると、4か月目からは上限が下がります。区分エなら、61,500円が44,400円になります。

③ 2026年8月から「年間の上限」ができた

月ごとの支払いが積み上がっても、8月から翌年7月までの合計が年間の上限(区分ウ・エは53万円)を超えた分は戻ってきます。月をまたぐ入院が重なっても、負担には天井があるということです。

まとめ|月をまたいでも、慌てなくて大丈夫

月をまたぐと、上限額は2回かかります。でも、日程は病院に任せて大丈夫です。

今日やるとしたら、ひとつだけ。自分の区分の上限額を一度見て、「2回分ならいくらか」を計算しておいてください。それが分かっていれば、請求書が2枚届いても、落ち着いて払えます。医療保険が本当に必要かを考えるときの物差しにもなります(医療保険は本当にいらない?)。
入院の日に考えるのは、お金ではなく体のことだけでいいんです。

※上限額は2026年8月〜2027年7月のもので、2027年8月にまた見直されます。区分ア〜ウは、医療費に応じて上限額が少し増えます。請求書の出し方は病院ごとに異なります(ここで書いたのは私の勤務先の例です)。加入している健康保険によっては、独自に負担を軽くする給付(付加給付)がある場合もあります。制度の内容は2026年9月時点(厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」、名古屋市「高額療養費制度」)のものです。

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